インドの食事は朝はカレーに始まり、夜はカレーに終わる。
これはインドを旅行している人間にとってもだいたい当てはまる。
もちろん外国の料理も食べることはでき、旅行者の集まる場所はそんな店だらけだ。
しかし、そういうところは地元の食堂とくらべるとやっぱりちょっと値段は高いし、なんでインドに来ているのにカレーを食べないんだという思いもあって、僕はずっと3食カレーを食べていた。
本場のカレーはやはり美味い、南インドなんて特に。
しかし、そんな生活も長く続くとちょっと違うものが食べたくなってくる。
そんな状態でダラムサラにやって来た僕には、ダラムサラは食の都になった。
前述したとおりここにはチベット人がたくさん住んでいるのでチベット料理(チベットで食べるものよりかなりおしゃれできれいだけど)、インド料理に旅行者が集まるということで世界各国の料理と何でもござれ。
もちろん日本食も食べれた。
かなりまともでしっかりした日本食は、本当に久しぶりに食べた。
んが、しかし、やっぱり日本人なので美味いけどやっぱりなんか違うなという気持ちがあった。
だから、自分の国の料理をここで食べた人も同じようなことを思っているはず。
実際にイスラエル人とイスラエル料理を食べに行ったときに、「これは不味くないけど、イスラエルで同じものを食べたらもっと美味しいよ」と言っていた。
しかし、メキシコにもイスラエルにも行ったことのない僕はここでエンチラーダやシャクシュカを食べたら美味いと感じた。
もうとっくに気づかれていると思うが、僕は食いしん坊である。
違う国の人間となかよくなったら、まず間違いなく料理の話をする。
そんな流れでイスラエル人と食事をすることになったわけだ、そんなに興味があるならここで食べれるからいっしょに行こうかという感じで。
さて、目の前の皿の上にのっかっているものを僕は美味いと感じる、となりの彼はちょっと違うと言う。
これは料理のせいかDNAのせいかはたまた僕の無知とインドの山奥で食べるイスラエル料理が本場のものより美味いわけがないという彼の意地のせいか。
まあ、少なくともインドの山奥で日本料理を食べた僕は彼と同じ感想だったわけだ。
ともかく、ここで重要なのは、目の前の美味い料理よりもっと美味い同じ料理が存在する可能性が非常に高いということである。
そんなわけで、ダラムサラにいるあいだはイスラエルにメキシコに韓国にイタリア料理といろいろ食べた。
本場で食べたらもっと美味いんだろうな、と思いながら。
まだ行ったことのない彼の地への思いはつのるばかり。
そして、何と単純な自分...。
p.s
ちょっと違うななんて書いてしまいましたが、この街にあるJapanese Restaurant「ルンタ」にはけっこうお世話になりました。
忘れかけていた故郷の味を思い出すことができた。
いちばん好きなメニューはKakiage-Egg-Donです。