ヤンゴン、アジアではめずらしい軍事政権国家の首都だった街。
しかし、新首都ネーピードは行政機能だけが移っただけでおまけに外国人は基本立ち入り禁止。
なので、旅行者にとっての首都は現在でもヤンゴンといっていいだろう。
何となく暗いイメージを抱かせる軍事政権、僕もどんな感じなのだろうとドキドキしていたら、空港は小さいけどけっこうきれいだし、市内までの景色は腰布にTシャツ姿のカップル・バス停でバスを待つ人たち・道端の物売りといたってふつうの風景。
ヤンゴンの街で最初にしなければいけないことは、闇両替だ。
けっして公定レートで両替をしてはいけない。
街中の両替商より、マーケットの宝石・貴金属店でするほうが安全だ。
米ドルはキャッシュで使えるので、必ず持って行くように。
しかし、ちょっとでも古いとミャンマー人は受け取ってくれない、ミャンマーチャットならどんなにボロボロでも大丈夫なのに。
雨季のせいでどんよりした天気のなか、水浸しの街を歩く。
水はけは悪いし、舗装したはいいが管理がなっておらず道はボロボロ穴だらけ。
マーケットの喧騒に屋台飯、山盛りの韓国ドラマのコピーVCD、宿の近くには中華街があり雲南省料理の屋台に肉まん屋、シナゴークにインド系の店でチャイ、アジアのカオスとたくさんの人種のチャンプルー。
ミャンマーの国民食はカレー、それもとんでもなく油っこい。
日本で出会ったミャンマー人メイザー・ルウィンルウィンと再会。
僕が来る3ヶ月前に帰国していたので。
ヤンゴンで一番の高層ビルのサクラタワーで待ち合わせ。
美味いミャンマー料理屋に連れて行ってもらうつもりだったが、彼女は6年も日本に住んでいて帰国したばかりでヤンゴンのことはよくわからない。
「タカが行くようなお店で食事しましょう。」
そう言うので、お気に入りのカレー屋on the streetに連れて行ったら、「あなた、こんなとこ悪い油とか使ってるに決まってるじゃない!!もっと、体のこと考えてっ!!!」、と怒られる。
ミャンマーの素晴らしいところは、生ビールを出す店があちこちにあるということだ。
もちろん、つまみも充実している。
ルウィンと一杯やりながら、ミミガーのサラダ、お茶葉のサラダに、フライドポテト等等。
日本から友人のエコタさんがやって来る。
貴重な夏の休暇先にミャンマーを選び、なおかつそのタイミングで僕がヤンゴンにいるという素晴らしい奇跡。
彼女は一週間くらいの予定ということで、いっしょに旅することにする。
何処に行こうかあれこれ話す。
ふつうならバガンにインレーあたりに行くだろう。
ガイドブックをパラパラめくっていたら、百数体もの仏像が安置してある洞窟寺院なるものを見つける。
「俺、洞窟好きなんだよね。ここ、行きたいなあ」。
「えっ、私も洞窟大好き」。
と、いうことで、異様なスピードの即決で行き先が決定。
ヤンゴンからバスで一泊のカルーに行き、そこからさらに山奥に入ったところにあるピンダヤを目指す。